写真集『造船記 Chronicle of a Shipbuilder』発売

書名:造船記
著者:野田雅也
発行:集広舎
造本設計:玉川祐治
英文翻訳:Tomas Lea
発売予定日:2023年03月11日
判型:B5判/並製/240頁
価格:本体3,500円+税
ISBN:978-4-86735-045-4 C0072

「やんねばなんねえ」船大工たちは声を合わせた。

2011年3月11日、東日本大震災に見舞われた岩手県大槌おおつち町──。
ひょうたん島(蓬莱島)のある大槌町は鮭の定置網漁や養殖業で栄えてきた。
漁師町の復興に「船」は欠かせない。
震災の日から11年間、復興の足跡を記録した貴重なフォトストーリー。

《おわりに》より

現在の大槌漁港には、328隻の船が停泊する。その多くが岩手造船所で修復されたものだ。「足元の瓦礫を片付けるように、淡々と目の前の仕事をやっただけ」と振り返る。大切にしたのは人の心をつなぐこと。仕事は人と人とをつなぐためにあり、助け、支え合うために町や社会が生まれる。そう考える川端さんは「多くの人に支えられた」と深く頭を下げた。
今日までの道のりは決して容易ではなかった。それでも船の修復を続けたのは、生まれ育った町に再び暮らしの明かりを灯したいという一心だ。家族や仲間を失い、悲しみや苦しみを乗り越えても、さらに困難は続いた。それでも船大工たちは途切れることなく、復興の槌音を響かせ続けた。
今、夜空の下には明かりが輝き、蓬莱島の灯台が海を照らす。町は人と共に変化する生き物であり、世代を超えて届ける大切な贈り物だ。船出した新しい町がどのように育つのか、その未来が待ち遠しい。


船大工たちの写真集(NHK盛岡 3月10日放送)

大槌町の12年間の復興の軌跡

東日本大震災と津波から12年を迎える3月、ある写真集が完成しました。
その本のタイトルは『造船記』。
大槌町の船大工たちを中心に、1つの町が被災し、立ち上がり、復興していく様子を追い続けた写真家が写真集に込めた思いを取材しました。
(盛岡放送局 記者 渡邊貴大)

https://www.nhk.or.jp/morioka/lreport/article/000/53/

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