写真展『造船記』2023年4月13日〜19日フォトギャラリー「シリウス」(終了)

 

「造船記 Chronicle of a Shipbuilder」

ひょうたん島(蓬莱島)のある赤浜の岸辺で、瓦礫から工具を拾い集める船大工に出会った。大槌湾に面した岩手造船所は津波で壊滅し、流された船は陸に打ち上げられたり、海上を漂流したりしていた。船大工は、「あの船さ、おらほの方から流れたべ」と屋根の上に乗った観光船を見上げた。漁師町の復興に、船は欠かせない。「やんねばなんねえ」、船大工たちは声を合わせた。町に暮らしの明かりが灯る日を夢見て、途切れることなく復興の槌音を響かせ続けた。

被災地でもっとも早く事業再開した岩手造船所には、三陸各地から被災した船が次々に運び込まれた。漁船の修復を終えると、漁師たちは再び三陸の海へ漕ぎ出す。名産の鮭が魚市場に水揚げされると、周辺には冷凍施設や水産加工所が建ち、大漁と安全を願う伝統の祭りも復活した。

今、蓬莱島の灯台は海を照らし、夜空の下に街明かりが輝く。家族や仲間を失い、悲しみや苦しみを乗り越えても、さらに困難は続いた。しかし船大工をはじめ、町の誰もが、誰かの明日を想い、支えあい、新しい町を築き上げた。写真展『造船記』は、東日本大震災から復興までの不屈の歩みをたどる船大工たちのクロニクル。

(展示予定枚数 50点)

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