大津波から漁師町を復興させた船大工の11年…福岡・久留米出身の野田雅也さんが写真集(西日本新聞)

 東日本大震災の被災地を写真や映像で記録し続ける久留米市出身の野田雅也さん(48)=埼玉在住=が11日、写真集「造船記」を出版する。津波に流された観光船が、2階建て民宿の屋根に乗り上げた光景が世界に衝撃を与えた岩手県大槌町。「やんねばなんねえ」と被災直後から復興を目指してきた船大工と漁師町の足跡を伝える。

『遺言 原発さえなければ』福島を追い10年

 大震災が起きた2011年3月11日、取材で東京にいた野田さんはカメラを手に東北へ向かった。東京電力福島第1原発の周辺を取材しながら北上。大槌町で、がれきの中から集めた金属を加工して工具を作る船大工たちと出会った。

 「流された家を建てるため、余計なことを考えず、その日その日をやるしかねえ」。サケ漁や養殖業で栄えた町は、…

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